いのちの学校

この４月は、某企業の新卒採用面接の現場にいることが多い。

僕の立場は、採用コーディネーター。

選考の意思決定をするのは役員や社員の方々である。

僕の役割は、面接に臨む学生が、

リラックスして、自然体の素敵な姿を見せられるような場をつくること。




今日も１日中面接現場にいた。




彼は、決してスマートな学生ではなかった。

コトバには詰まっていたし、言っていることも理路整然としているわけではなかった。




でも、僕は、彼をみていて、心が震えて仕方なかった。

明らかに、彼は、あの面接現場で「チャレンジ」していた。

もしかしたら、彼は、表現ベタなのかもしれない。

もしかしたら、彼は、人見知りをするタイプかもしれない。

もしかしたら、彼は、表層的な言葉を話そうと思えば話せたのかもしれない。

でも、彼は、自分の心の奥底で感じていることを率直に伝えようとチャレンジしていた。

彼は、自分の表現が、僕たち面接官に伝わっているかどうかを、不安に感じているようだった。

それでも、彼は、自分の心の奥底で感じていることを率直に伝えることを、最後までやめなかった。

僕は、思わず、涙が流れそうになった。

彼は、自分の可能性にチャレンジし続けていた。




だいじょうぶ。

あなたの思いは伝わってきたよ。

あなたが自分を変えようとチャレンジしている姿勢が、その全身から伝わってきたよ。

人を動かすのは、表層的な言葉ではない。



かっこつけなくていい。

今この瞬間を大切にしていれば、どんくさくたっていい。

どんくさくたって、人間らしくて、かっこいいよ。

そんなことを改めて気付かせてくれて、ありがとう。





２００７．４．１１．
今津新之助